近頃eスポーツなど話題になりゲーミングPCに興味を持たれた方もいるかと思い簡単にですが解説記事を作成してみました。全てをこの記事で解説してしまうと、とても長くなってしまうので各パーツごとに解説していきます。
今回の記事は第1弾の続編になります。まだ閲覧したことがない方は第1弾CPU解説編もよければ読んでみてください。
目次
マザーボードとは

マザーボードとは、パソコンの中心的な基盤となるパーツで、CPUやメモリ、グラフィックカード、ハードディスクなど、様々なパーツを接続するための基盤を提供します。また、電源の供給や信号の伝送、各種コントローラーの搭載など、パソコン全体の制御や管理を担当します。
マザーボードには、CPUが搭載されるCPUソケットや、メモリスロット、拡張カードスロット、SATAポートなどの機能が備わっており、それぞれのパーツを接続することで、パソコン全体が機能するようになります。
また、マザーボードはパソコンのサイズや形状に合わせて選択する必要があり、互換性を確認してから適切なものを選ぶことが重要です。

マザーボードはパソコンの脳みそのようなもので、他のパーツは手足や五感などの器官のようなものです!
チップセット
マザーボード上に搭載された集積回路(IC)のことで、CPUと周辺機器との間の通信を管理する役割を持ちます。
主に、CPUとメモリ、ストレージ、グラフィックスカードなどの機能を結びつけ、データのやり取りを円滑に行うことができます。
また、チップセットによってサポートされるCPUの種類や、搭載できるメモリの種類、接続可能な拡張カードの種類などが異なります。
そのため、マザーボードを選定する際には、チップセットの適合性に注意が必要です。
メモリ(最大メモリ)
マザーボードが使用できるメモリの種類や容量、動作速度などについての規格や仕様を示すことです。
メモリ対応が高いマザーボードは、より高速で大容量なメモリを使用することができ、処理速度の向上や多くのアプリケーションやゲームを同時に実行できるようになります。
一方、低いメモリ対応のマザーボードでは、制限されたメモリの使用しかできず、性能が制限される可能性があります。

現在主流なメモリはDDR4またはDDR5の規格が一般的です!
メモリについては別記事にて解説します!
PCI Expressバスインターフェース (PCIe)
コンピュータの各部品を接続するための通信インターフェースの一つで、
PCI(Peripheral Component Interconnect)バスの後継として登場した規格です。
PCIeは高速なデータ転送を実現するために、従来のPCIバスに比べて高い帯域幅を持ち、
レーン数の増加やデュアルレーン、クアッドレーンなどの機能も追加されています。
また、PCIeの各バージョンにはそれぞれ帯域幅や速度の向上があります。

最新のPCIe 4.0は従来のPCIe 3.0と比べて、最大で2倍の帯域幅や速度を実現することができます!
USB 3.2 Gen 2x2
USB-IF(USB Implementers Forum)によって定義されたUSB規格の一つで、10 Gbpsの最大転送速度を持ちます。
この規格では、USB Type-Cコネクターを使用してデータを送受信します。
USB 3.2 Gen 2x2は、USB 3.1 Gen 2と同じ速度であり、USB 3.2 Gen 2よりも2倍高速です。
したがって、大容量のファイルを高速に転送するために非常に便利です。
ただし、この規格に対応するためには、デバイス側とコンピューター側の両方が対応している必要があります。

Type-Cコネクターを備えたUSBポートがある場合、それがUSB 3.2 Gen 2x2である可能性があります!
ですが念の為、マザーボードの仕様や製品情報を確認して下さい!
Intel Optane
インテルが開発した高速な不揮発性メモリー技術で、SSDやHDDなどのストレージを高速化することができます。
従来のストレージよりも高速な読み書きが可能で、システムの起動時間やアプリケーションの読み込み時間を短縮することができます。
また、SSDやHDDなどのストレージと同じく大容量のデータを保存することもできます。
Optaneは、デスクトップPCやノートPC、サーバーなどの幅広いシステムに採用されています。
Thunderbolt
高速なデータ伝送を可能にするインターフェース技術のひとつです。
Thunderboltは、IntelとAppleが共同で開発した技術で、高速なデータ伝送が必要なビデオ編集やグラフィックス作業、ストレージの高速アクセスなどに利用されます。
Thunderboltは、USB-Cコネクターを使用し、最大40Gbpsのデータ転送速度をサポートしています。
また、Thunderboltはデイジーチェーン接続に対応しており、複数のデバイスを1つのThunderboltポートに接続することができます。
Thunderboltは、ビデオ信号とオーディオ信号を転送することもできます。
Thunderboltは、高速なデータ伝送が必要なプロフェッショナル向けのアプリケーションや、
高速なストレージアクセスが必要なビジネス向けのアプリケーションなどで利用されています。
Thunderboltは、USB-Cコネクターを採用しているため、一部のThunderbolt対応デバイスはUSB-Cポートを持つPCでも利用することができます。
Overclocking
コンピュータのCPUやGPUなどの部品のクロック周波数を増加させることで、パフォーマンスを向上させる技術です。
この技術を使用する場合、マザーボードやCPUはオーバークロックをサポートする必要があります。
例えば、マザーボードにはBIOS画面でクロック周波数や電圧を調整できる設定があり、CPUにはオーバークロック可能な余裕が必要です。
しかし、オーバークロックによって発生する高い熱や電力消費などの問題もありますので、慎重に行う必要があります。
主要なマザーボードチップセットの比較表

チップセット | 最大メモリ | PCIe 4.0対応 | USB 3.2 Gen 2x2 | Intel Optane | Thunderbolt | Overclockingサポート |
H610 | DDR4-3200<br>(Max. 128GB) | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
H670 | DDR5-4800<br>(Max. 128GB) | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
B660 | DDR5-4800<br>(Max. 128GB) | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
Z690 | DDR5-5200<br>(Max. 128GB) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
この表はIntelのLGA 1700ソケットを使用する第12世代Intel Coreプロセッサに対応しています。
Z690は最上位モデルで、PCIe 4.0に完全対応し、Thunderboltにも対応しており、最大128GBまでのDDR5メモリをサポートしています。
一方、B660とH670は、それぞれPCIe 4.0に対応していますが、ThunderboltにはB660のみ対応しており、H670は対応していません。
また、H610はPCIe 4.0に対応していますが、DDR4メモリのみをサポートしており、Thunderboltにも対応していません。
Overclockingサポートは、Z690とB660のみがサポートしています。
Overclokingのメリットデメリットについて
メリット
- パフォーマンスの向上:CPUやグラフィックスカードなどのパフォーマンスを向上させることができます。これにより、ゲームやビデオ編集などの処理が高速化されます。
- 低コストでハイエンドパフォーマンスの達成:低コストのCPUでも高価なハイエンドCPUと同じようなパフォーマンスを発揮することができます。
- 熱管理の改善:ファンや水冷システムを使ってCPUやグラフィックスカードの熱を効果的に冷却する必要があります。そのため、熱管理を改善するための工夫が必要ですが、効果的に行えば長期間安定して高速処理を維持することができます。
デメリット
- 保証外:CPUやグラフィックスカードなどのコンポーネントを基本仕様以上に動作させるため、製品保証が適用されない場合があります。また、故障のリスクも高まります。
- 熱暴走のリスク:CPUやグラフィックスカードなどのコンポーネントがより多くの電力を必要とするため、熱暴走する可能性があります。過剰な電力供給によって、CPUやグラフィックスカードが破損することもあります。
- 電力消費量の増加:CPUやグラフィックスカードなどのコンポーネントにより多くの電力を必要とするため、電力消費量が増加します。これにより、電気代が高くなったり、電源が不足して動作しなくなる可能性があります。

製品保証外にもなる場合もあるので自己責任で行いましょう!
マザーボードの選定(ゲーミングPCの場合)

- CPUとの互換性:マザーボードが選択したCPUと互換性があることを確認することが重要です。
- 拡張性:将来的なアップグレードに備え、拡張スロットやメモリスロットの余裕があるマザーボードを選択することが望ましいです。
- VRMの品質:CPUに必要な電力を安定的に供給するために、VRMの品質が高いマザーボードを選ぶことが重要です。
- オーバークロックのサポート:オーバークロックを行いたい場合、適切なマザーボードを選択することが必要です。
- ネットワーク機能:インターネット接続の速度や信頼性を向上するために、マザーボードが最新のネットワーク技術をサポートしていることが望ましいです。
- オーディオ機能:ゲームの音質や音楽再生に必要な場合、高品質のオーディオ機能を搭載したマザーボードを選ぶことが望ましいです。
- 外観:パソコンの見た目にこだわりがある場合、外観にも配慮したマザーボードを選ぶことができます。

作者的に優先度が高い順に上から並べています!
ゲーミングPCの将来性について
ゲーミングPCは将来性や拡張性についても考慮しておくことをお勧めします。
- CPUやGPUの世代が更新されても、マザーボードが対応している場合、アップグレードが可能です。
- 拡張スロットやポートが余っている場合、将来的に必要な周辺機器を接続することができます。
- メモリのスロットが余っている場合、容量を増やすことができます。

各パーツを更新したい時はマザーボードが対応しているか確認して下さい!
今回の記事について


マザーボードには色々なパーツを繋ぐ為、慎重に選定する必要があります。特にCPUとの互換性については必ず確認しましょう。
「ゲーミングPCを選ぶ前に知っておきたい、第2弾マザーボード編」として記事を書きました。まだ他にも重要パーツはあるので随時解説記事を書いていきます!